ヘッドハンティングの秋

2017.10.18

 ある日、ワタクシ上堂宛てに、名指しで電話がかかってきました。
 声の主は見知らぬ女性。しかも手元でアンチョコ読んでいるのがバレバレの、いたって機械的な口調です。
 その女性いわく「社名はお伝えできないのですが、とある企業様から、あなたが大変優秀な人材と伺っておりまして……」

 あらあら。見知らぬ人から褒め殺し。怪しいぞ。
 もうこの時点でかなり面白くて、私はニヤニヤしてしまいました。
 女性は話を続けます。

「……つきましては、あなた様をぜひ引き抜きたいという声が挙がっておりまして……」

 あらあら。それはいわゆるヘッドハンティングというやつですか。
 受話器を片手に、聞き出した相手の企業名をネットで検索してみたら
 どうやら同じような手口で電話をかけている、転職なんちゃら(うろ覚え)を斡旋する会社のようです。

 なるほど~このご時世にぴったりね~なんて思いながら、さらに話を聞いてみると、
 ヘッドハンティングしたいという割には、私のことを知るために話を聞きたい、とのこと。

 出た~!あなたのことをすでに知ってますよ的な雰囲気を漂わせて、相手の口から正確な個人情報を聞き出しちゃう系だ~!

 もちろんお断りして、電話を切りました。
 後で確認するとその電話は番号非通知。もう出たらアカン!ということでその日は終了したのです。

 しかし数日後、別のスタッフ宛に、今度は男性から同じような電話が。
 非通知でしたがうっかり取ってしまい、用件を聞きましたが、本人以外には話さないのが鉄則のようでした。

 いやあ、何なんでしょうか。
 食欲の秋、芸術の秋、ヘッドハンティングの秋ですか?

 それにしても「あなたが優秀な人材であるという話を、よそから聞きました」という言い回しはお見事です。
 あんなことを言われたら、誰だって気分がよくなるものです。
 人間の心理を実によく理解している……勉強になります。

 またあの電話がかかってくるのかどうかはわかりませんが、皆様もどうかお気をつけください。
 
 あと、個人的に悔しかったのは
「上堂」という苗字を初見で正確に呼んでくれたのは、あの怪しい電話の相手が初めてだったということです。
 このHPで調べたんでしょうか。抜かりがないですな!キーッ!(笑)